300字小説

日曜日の東京新聞に300字小説が2編掲載されています

朝刊のコラム「筆洗」とこの「300字小説」はブログ記事を書く時の参考にしています

300字小説は

300字でここまで表現できるものだと感心させられます

この「天命」と題する小説は情景がありありと浮かんできます

こんなに簡潔に書けたらいいなと思います

******************************************************************************************

 [天命]

パサッ
木の葉が肩に当たり、足元に落ちた。

見上げると、大きな銀杏の木だ。
梢の間から、初冬の灰色の空がのぞく。

冷え冷えした空気が山峡の里を包んでいる。
人影はない。
また銀杏の葉が落ちた。 風もないのに…。
小首をかしげた時、まるで雨のように次々と葉が降って来る。

見る見るうちに足元が葉に埋め尽くされる。まるで、黄色い絨毯のように。

僕は立ち尽くしていた。
「天命」、ふとそんな言葉が脳裏をよぎる。
心を持たぬ木の葉でも散りゆく時を知っている。
葉が降りやんだ。 見上げると、

ほとんど散りつくした梢の間に、広々とした寒い空があった。

******************************************************************************************* 

 東京新聞の「筆洗」と「300字小説」楽しみに毎回じっくり読んでいます