またまた土井善晴さんの「一汁一菜」の話です。
料理研究家の土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を読んでみて、
毎日の食事を作るのにどれだけ気が楽になった人が多いことでしょう。
土井善晴さんの根本には「なぜそうなのか」という「問い」が常にあります。
「一汁一菜」の思想もそうです。
「主菜と副菜と汁物の一汁三菜が日本食の伝統」という固定観念を疑うところから始まりました。
「一汁三菜」は戦後に広まった考え方なんです。
それまで上流社会にはありましたが、庶民は「一汁一菜」でした。
昭和30〜40年代の高度経済成長時代、おかずがたくさん食卓に並ぶことが豊かさの象徴となりました。
それは戦後の栄養不足、カロリーを補うため、肉料理のようなメインになる献立を取り入れた全国民挙げての栄養教育、フライパン運動(一日一食はフライパンを使った料理を食べようという啓蒙活動)の結果でもありました。
そして、ご馳走があるのが良い家庭、それを作るのは主婦であり女性の仕事となりました。
それから時が経ち、専業主婦の時代は終わり、女性の社会進出が当たり前となってきました。
なのに、家事は女性の責任という社会の空気は変わらず、多くの女性が苦しんでいます。
男も女も固定観念がなかなか抜けないんです。
夫婦は共稼ぎが当たり前になり、仕事で疲れて帰宅すると食事作りが待っています。
おかげで、料理が心の負担となってしまいました。
そこで、「一汁一菜でよいという提案」を土井さんが書きました。
一汁一菜は手抜きじゃない。
生活習慣病とメタボの原因になる過剰なご馳走の習慣をリセットし、初期化しようということです。
味噌汁に季節にあるものを入れればそれでいい。
その上で、時間、お金、気持ちに余裕があれば、家族、そして自分自身が喜ぶ料理を一つ作る。
そうすると食事が楽しみになるんです。
御飯さえ炊いておけば、みそ汁は冷蔵庫にあるものなんでもいいのです。
おかずが無かったら、作るのが面倒だったら、たまごを割ってみそ汁に入れれば立派なおかずとみそ汁なんです。
それに香の物(ぬかずけ、たくわんなど)があれば一汁一菜になります。
その時々の食材やお天気、気分に合わせて、食材と対話しながら料理はするものです。
毎日毎日レストランで出てくる料理を家庭でもというのが重荷になっているのです。
そんな料理毎日食べられません。
飽きてくるのです。
それに、外食や出来合いのものばかり食していると経済的に健康的に良くありません。
ぜひ、土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を読んで気を楽に料理作ってみましょう。
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