「切れない」包丁は、ストレスがたまります。
切れ味が鋭ければ、食材の組織を必要以上に壊さないため、見た目も味も変わります。
そこで、欠かせないのが、この「包丁研ぎ」です。
面倒で難しそうと、尻込みしがちで、つい市販の包丁研ぎ機を買ってしまいますが、この包丁研ぎでは、長持ちしないですぐキレ味が落ちてしまいます。
トマトをスパっと切れると料理も楽しくなります。
料理の出発点はやはり切れる包丁だと思っています。
でも、この面倒でむつかしい包丁研ぎですが、少し練習すれば誰でも切れる包丁で快適な料理を作ることができます。
しかも、この趣味(包丁研ぎ)はどれほど没頭しても、経済的負担がなく、(専門業者に頼むと500円~1000円とられます)家族からも歓迎されるというおまけ付きです。
用意する包丁
- ペティナイフ
小ぶりなサイズで、果物の皮むきなど小回りが必要な作業に適している。 - 三徳包丁
その名の通り、肉・魚・野菜に対応できる万能型。
砥石は
- 荒砥石(あらといし)※80~500番くらい
刃こぼれや刃の形を整えるときに使用します。500番がよい(面直しにも使える) - 中砥石(なかといし)※800~2000番くらい
切れ味が落ちたとき刃を鋭くし、食材が切れる状態にします。
1000番がよい。家庭の場合、これだけ持っていればOKです。 - 仕上げ砥(しあげと)※2000番以上
刃の表面を光らせたり、エッジを滑らかにします。中砥石の後に使用します。
家庭用にはいりません - 面直し砥石
砥石も使用するごとにすり減り、中心部が窪んでくる。そのままだと刃の当たりにムラができてうまく研げなくなるため、砥石面を水平に削るための道具。
家庭用にはいりません
包丁の研ぎ方/洋包丁(両刃)
- 砥石を気泡が出なくなるまで、水につけておく。
- 安全に研ぐため、濡れたタオルなどの上に砥石を置く。
- 表面から研ぐ。包丁は、ハンドルを左にして刃が手前に向くのが表。砥石と刃が接する角度は、10~15度(10円玉2枚分の厚みが砥石と刃の間に入るのが目安)
削れた包丁と砥石、水が混ざり合った液体は、潤滑油代わりになるので取り除かない。作業中、表面が乾いたら適宜、砥石に水をかける。 - 手元から奥に押すイメージで、力を加えすぎずに研ぐ。
切先と刃中、刃元に分けて、それぞれ同じ角度をキープしながら同回数研ぐ(各30回程度)。切先はその形状から密着しにくいので、手首の角度を調整して砥石面に触れるようにする。
ややスピード感を持って動かすのが、安定して同じ角度を保つコツ。
刃を構える角度は、自身の体に対して45度くらいがやりやすい。 - 反対側に返して同じ要領で裏面を研ぐ。
こちら側は、刃先を向こうに向けて引くときに研ぐイメージ。ハンドルに砥石が当たって刃元が研ぎにくいため、刃と砥石の向きがまっすぐ平行になるように研ぐ。 - 刃先に光沢がある細い線(2㎜幅程度)ができ、研いだことで削れた金属が反対側に反った「バリ」(かえり)ができていることを確認。
バリは、指で触るとやや盛り上がっているのがわかる。 - 仕上げに、バリを落とす。デニムの生地や新聞紙などにこすりつけて、刃先の盛り上がっている部分を落とす。
これが十分でないと、研いでも食材を切ったときに引っかかりができる。
また、使用後の砥石はよく洗い、乾かして保管する。
片刃包丁の研ぎ方
片刃包丁とは、出刃などに代表される和包丁のタイプで、刃が片方にのみついた形状。基本の研ぎ方は洋包丁と変わらないが、刃がついている方だけを研ぎ、反対側はバリを落とす程度に数回砥石に当てて動かすだけでOK。
私はこの片刃包丁を使っています。家内は左利きなので左用の包丁です。
右、左どちらでも使えるのが両刃包丁です。