大切な「切り」

そば打ちで昔から言われてきたこと、「水回し3年、延し3ヶ月、切り3日」があるが、水回しが一番難しく、大切だということのたとえだ。それでは「切り」はそれほどではないのかというと、やはりこれも大切な工程だ。水回しのしっかりした麺体を、平均に延した条件で始めて、切りが重要になってくる。教えるときにはこのたとえを引用し、切りは簡単と言っているが、きちっと均等に切るのは難しい。初心者は「垂直切り」が基本になる。包丁を駒板の枕に合わせて倒して、そこから垂直に切り下ろすやりかただ。それが出来るようになると、今度は「倒し包丁」で手首をひねって回転しながら切っていく方法に移行していく。しかし、リズムが合わなくなってくると、「垂直切り」に戻してリズムをつかみ、倒し包丁に持っていく。癖がつかないように基本に返ることも大切だ。

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