「返し」はなぜ作るのか

「返し」がなくなってきたので 作らなくてはと思っている。 現在5リッターのカメと 6リッターのステンレス容器に入れているが 少なくなってくると 落ち着かなくなるから 妙だ。 一か月寝かしてから 三か月で使い切るようにしている。 醤油が酸化しない新鮮なうちに ところでなぜ返しを作るのだろうか? という疑問がふと浮かんだ。 江戸時代から作っていたから、 醤油の角が取れるから、 などなどあると思うが、 この疑問に永山寛康氏の著書 「蕎麦、そば、ソバの楽しき人生」に 書いてあった。 それによると、醤油は大豆、小麦、塩 水を原料にして、麹菌で発酵させた食品なので この麹菌の持つ独特のくせ、臭いを 取り除くために返すを作るという。 本返しは熱を加えることにより くせを蒸発させてしまい、生返しは 時間をかけて(最低一か月)寝かせることにより くせをとる方法というのだ。 醤油の角をとるためというのは まんざらはずれではなかったが・・・。 このように当たり前のことにも 疑問を持つことで 新しい発見があるのではと考えている。

p1070685m.jpg ▲本返し、黄金の膜が張ったら火を止める