日本人は異常なほどきれい好きです。
最近、コロナ禍もあり、それが顕著になってきました。
もっと、常在菌と共存して、免疫力を高めようという話です。
コロナ過でいたるところで消毒しています。
手洗いもまめにやっています。
トイレに入ればウオッシュレットできれいにしています。
とにかく細菌やウイルスを滅菌するのにやたらと消毒をしています。
日本人が大好きな温水洗浄トイレ(ウオシュレット)は
肛門や膣を温水で洗いすぎることで、局部に炎症を起こす人が増えているそうです。
特に女性の膣炎が深刻です。
温水洗浄トイレを使うと、膣の常在菌を失っていて、酸性からアルカリ性になり、雑菌に対する抵抗力を低下させているといいます。
今や日本は、コロナ禍で一年中、必要以上に感染症の予防に熱心な国になりました。
そうしなければ命を落としかねないほど、私たちの国は不潔で危険な環境にあるのでしょうか。
いいえ、そうではありません。細菌やウイルス、寄生虫など目に見えないほど小さな微生物の存在におびえて、清潔に熱心になりすぎているのが、現代の日本です。
そのことは、手洗いのしかたを見るとよくわかります。「感染症予防の基本は手洗い」といわれ、手洗いの方法はたびたび熱心に指導されます。
幼稚園や保育園、学校でも指導されます。
テレビや雑誌、新聞でもとり上げるほどです。
私も毎日厨房に入る前に薬用せっけんをつけて、ごしごし時間をかけてやっていました。
パートさんの中には手が乾燥して荒れてひび割れしている人もいました。
洗いすぎると、人の皮膚はどんどんと乾燥して、病原性の弱い菌やウイルスにも感染してしまう状態になっていくのです。
免疫力を強化するための手洗いは
「両手を軽くこすりながら、流水で10秒間流す」だけで充分だと言います。
これは、ウイルスの研究者の京都大学の宮沢孝幸氏も「100分の1作戦」で言っていました。
手を15秒流水で洗えば、たとえ手で感染元を触ったとしても、感染する可能性はほとんどなくなりますと。
石けんを使うと、一回の手洗いで、皮膚常在菌の約90パーセントが洗い流されます。
ただし、1割ほどの常在菌が残っていれば、再び増殖し、12時間後にはもとの状態に戻ることもわかっています。
したがって、一日一回、お風呂に入って体をふつうに洗う、という程度であれば、弱酸性のバリアを失わずにすみます。
肌が乾燥する原因の大半は、洗いすぎです。
メーカーはなぜその真実を伝えないのでしょうか。
洗顔石けんなどの商品が売れなくなるからです。
また、肌に潤いを与える保湿剤や美容液は、基礎化粧品のなかでもっとも高価な商品でもあります。
そういえば亡くなった伊丹十三著「問いつめられたパパとママの本」の中で化粧品は顔に良くない、顔は水で洗うのが一番、しっとりしてよいと書いてあったのを思い出しました。
何事も過ぎると良くありません。
過ぎたるは及ばざるが如しとこれは昔からの格言です。