時給アップが働く時間を減らすというおかしな事が起こります。
首都圏の時給は上昇を続けていて、平均時給は1189円となっています。
パート労働者の賃上げが企業の人手不足を招く皮肉な事態です。
「年収の壁」がその原因です。
年収が一定額を超えると手取りが減る「年収の壁」を意識して、時給が上がった分だけ働く時間を減らす人が多くなっています。
パートは年収103万円を超えると所得税がかかります。
配偶者が会社員や公務員の場合、企業規模によっては、年収106万円から社会保険料の負担が生じ、手取りが大きく落ち込みます。
パート女性を対象とした調査では、年収を抑えるために働く時間を短くしている人は全体の62%です。
働き損にやらなければ、今よりもっと働きたいと言う人が約8割います。
また企業の方は人手不足を感じているの割合は51%です。
企業は新たな人材を簡単に雇用できないので、パートの頼らざるを得ないのです。
この「年収の壁」は、夫が働き、妻が家庭を守ると言う考え方が一般的だった時代に、所得のない専業主婦にも、年金を受け取る権利を与えようとして生まれた経緯があります。
それ以上働くと給料が引かれるということになりますので、年106万に抑えざるを得なくなるのです。
一か月9万円弱しか働けないって、この物価高の中では少な過ぎます。
時給が上がるのはうれしいのですが、上がった分働く時間を減らしていくという変なことになってきます。
もうこの「年収の壁」をはずしてもらって、働きたい人はいくらでも働けるようにしてほしいものです。