そばの薬味について

そばの薬味は三点セットといわれるのが、ねぎ、大根おろし、わさびである。薬味はその名の通り薬膳で広辞苑によると「漢方薬と食材とを組み合わせた中国料理。健康増進、病気の予防と治療、延寿を図る」となっている。ざるそばはそばとつゆが主役とすれば薬味が脇役ということになる。その脇役を立派に主役とする食し方がある。そばつゆに入れる前にわさびは箸でざるにあるそばにつけてからつゆに漬けて食する。その時わさびはつゆに落とさない。わさびはつゆに入れないほうがよい。なぜかというと最後にそばゆをいただくときにはわさびが邪魔になる。つぎにねぎをつゆに入れて味わい、それから大根を入れて味わう。それぞれに3つの楽しみ方がある。お客さんにはこのことはあえて言わないようにしているが、薬味を全部つゆに入れてしまうのを見てしまうと、つい言いたくなるがじっと我慢することにしている。お客さんが一番美味しいと思う食べ方には口を挟むわけにはいかない。
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